11/07/2016

海外在住者にとっての親の介護

日本里帰り中にひとつ重要な用事を済ませました。

それは、毎年不義理をしていることなのですが、父の命日に墓参りをすることでした。

長年病気を患っていた父は10年前の11月に亡くなりました。時の流れはホント早いです。

父は亡くなる前の数年間は介護をかなり必要とする状況でした。幸運にも、母は健康でしたので、母が介護のほとんどを担っていました。

50代になると、同年代友人との会話でしばし登場するのが親の介護です。

高齢出産された親の場合ですと、もっと早く30代40代で親の介護に直面する人もいるかもしれません。

人それぞれ置かれた立場が違うので、単純に比較することはできませんが、他の人の状況を知ることは参考になることもあるので、在米の私の状況を少し書いてみます。


私の場合93年にアメリカ生活を始めたのですが、一度日本に帰国しています。

アメリカで学生から社会人になり、それなりに順調な生活を送っていましたが、時と共に、自分はアメリカで好き勝手なことをしているような罪悪感も感じていました。

両親は日本に帰ってきて欲しいとは強くは言いませんでしたが、帰ってきたら喜ぶのはわかっていました。

そんな時、東京での面白そうな仕事のオファーがあり、ポジションも給料もアップ!

そして、病気が進行していた父のことも気になっていたので、帰国することにしました。

幸運にも身軽な独身でしたので、比較的簡単に決心することができたのです。

帰国後、父の介護を積極的に手伝うことはありませんでしたが、亡くなるまでの数年間は日本にいたので、より多くの時間を過ごすことができ、そして、その旅立ちを看取ることができました。帰国して正解でした。

前後して、日本でアメリカ人の夫と結婚しました。日本に帰ってきても、アメリカとの絆はあったようです。

父の1周忌が済んだ後、再びアメリカ生活をすることになり、今度は高齢になっていた夫の両親の近くで生活することを選びました。数年後、夫の両親も相次いで旅立ちました。

現在、再渡米からほぼ9年経っています。父が亡くなった時元気だった母も少しずつ弱くなっていますが、今のところ元気でひとり暮らしをしています。

と言っても、何と言っても80代半ばになっていますので、やはり心配です。

アメリカで病弱な愛犬を抱えているので、日本へ里帰りするのは躊躇する時もあるのですが、できるだけ高齢になった母と過ごす時間をもちたいので、年3回は里帰りしています。この里帰りを奨励してくれる夫には感謝です。

この先、母に介護が必要になるかどうかはわかりませんが、必要になった場合は、再び帰国するかもしれません。

日本にいても、親の介護は大きな課題ですが、海外在住者や国際結婚をした人にとっては、より複雑な課題のような気もします。

仕事があったり、家族がいたりすると、そう簡単に帰国もできないのが現状です。 

海外で生活しようとか、異国の人と結婚しようと決心する時に、多くの人は時を経て起こり得る親の介護、そして、その次にやってくる自分の老後まで考えないと思うのです。

私もそんなひとりです。 

先のことをあれこれと考えすぎるのもどうかと思うので、時期が来たら、人生経験として対処していくしかないです。

でも、全く何も準備しないのも無謀なことかもしれません。ある程度先のことを見据えて、それなりの準備をしておくことも大切かな、などと考えたりした日本里帰り旅でした。



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